(03/10/21)
制作学の講義をしてくださった小澤基弘(こざわもとひろ)氏は、
埼玉大学教育学部の美術教育の先生で、自身も油絵の制作者です。
埼玉大学は、埼玉県立近代美術館とミュージアムコラボレーション
(学生が美術館のギャラリートークをしたり実技指導をする、単位認定)を
しているのだそうです。
で、制作学とは、今まで美学という形でしか語られなかった絵を
「享受の学だけではなく、制作者の側から」考えようというものだとか。
制作に直接つながる考え方、概念のようなものだとか。
で、絵が創造される過程の諸問題として、下記の5つが挙げられていました。
1、動機(なぜ描くか?というモチベーション)
2、プレフィグレーション(ドローイングなどのなぐり描き)
3、フレキュレーション(試行錯誤し創造的破壊をすること)
4、完成(手をとめる必然性、完成の判断について)
5、プレゼンテーション
それぞれ数人の作家をあげ、作品のスライドを示しながらの講義でした。
1については、フランシス・ベーコンの叫びの口や、
モランディの静物、クリストの包むという概念、など。
(ノートを見ながら書いているのだが、なんか「?」です。)
2のプレフィグレーションでは、小澤先生自身が
もう20年ほど「ドローイング日記」をつけているのだという話。
その時に描きたい線・ぬりたい色を、そこはかとなく自由につける、のだとか。
その日記は、自分の動機etcを知るためのものだそうで、
また、それをちゃんとファイルし、写真もとってファイルしているんだとか。
写真は、全体を俯瞰するための手立てなのだそうです。
忘れているものを拾い起してくるんだそうです。
ファイル魔なんだそうです。
ドローイングについては、ジェニファー・バートレットの『THE GARDEN』という本や
ヨーゼフ・ボイスの『シンキング イズ ホーム』(ボイスの思考が凝縮)とか、
彫刻家・若林奮のドローイング(好きな色だった)とか、
ドローイングのもつ意味・楽しさ、とか書いてあります。
このまま書いていくには、寒くなってきたので、ちょっと一休み。
もっと書けると思ったんだけど、ちゃんと聴いてなかったのがバレバレですね。
(03/6/1)
長野市立博物館の夕闇ミステリートークへ行った話。
ここ↑では、『あの世・妖怪―信州異界万華鏡―』という特別展が
善光寺のご開帳にあわせて開催されていたのです。
で、その関連行事のひとつが「夕闇ミステリートーク」というわけ。
会期中の何回かの土曜日の閉館後、照明をおとした展示室を
学芸員が懐中電灯をもって作品解説をする、というもの。
展示室って照明をおとしたら、真っ暗になると思っていたが、
非常口案内燈などがあって、真っ暗ではなかった。
よく考えてみれば、真っ暗じゃあ集団は動けないですよね。
展示品がトンデモナイことになってしまう!ですよね。
盗難にあったりしたら、ことだもんね。
今回は、最終土曜日ということもあってか、参加者が多いとか。
で、2班にわかれて行動しました。
他の日の参加人数とか、聞いてくればよかったなあ、とちょっと反省。
でも、土曜日は市内の小学生の入場は無料、のようだったし、
結構おもしろがるかも、とは思いました。
薄暗い展示室をぞろぞろと歩く参加者。
この状況、展示品たちのほうが気味悪がっていたりして…。
解説って文字よりも音声、それも録音より生の声、の方がやっぱり良いですね。
普通のギャラリートークでも良いのだろうけど、
展示が展示だけに、なかなか考えたものだなあ、と思いました。
学芸員さん的には、質問して答えがくるというコミュニケーションを
期待して話しかけるのですが、なにぶん皆シャイですから…ねえ。
地獄の掛軸『観心十界図(六道珍皇寺蔵)』の内容も、
ただ眺めただけとは違ってわかりやすい(知識があれば別だが…)し、
妖怪の「ろくろっ首は昔、女性の病気だと思われていた」だとか、
幽霊の掛軸とか、妖怪図鑑とか(発想が豊かです)、狐の詫び証文とか。。。
昔って、信仰とか自然だとかと、もっと深く結びついていたんですね。
頭に皿のある河童の目撃事例の多くは、九州地方なのだが、
それって「弾圧で隠れ住むキリスト教伝道師たち」とかかわっている、
(フランシスコ・ザビエルのヘアースタイルと河童って、似てるでしょ)とか。
トークは、かなりの時間をかけて行なわれたので、
ラストのころは皆、ダレはじめてしまいました。
興味を持続させるのって、結構大変ですよね。(集団だし…)
それでもここに居る人たちは、興味を持って来た人ですから。
後、展示室の照明を点けて、普通の形でも展示がみられました。
点いてみると、展示室の雰囲気って違うものだなあ、って思いました。
やっぱり普通「暗い展示室(意図して暗いをのぞく)」ってないじゃないですか。
だから、この企画は面白い!アリ!だと思いました。
幽霊の掛軸は、明るい時の方が怖く感じたりして…。
今回の企画は、くりかえし新聞に載ったからだけど、
(そういえば、この博物館の企画は、掲載されているのをよくみる)
もっと大きくアンテナを張って、興味のあるものはもっと出掛けよう!
と、思いました、とさ。
(03/5/1)
お久しぶりで、書きたいを更新です。
紺背景はあきたので、白にします。
お山はパッチワークという話。
毎年この時期になると、山々が若葉や山桜や常緑樹で
パッチワークのようになってますよねえ。
昨日の4月30日も、雨のあとの曇天だったのですが、
車を走らせていて見える景色は、なかなか良かったのです。
上田から小諸を通って追分に抜ける「浅間サンライン」という道は、
国道18号線より標高の高いところを走っているので、
小諸に向かって走ると、左には烏帽子岳〜浅間山の峰々が広がり、
右には丸子盆地?〜御牧ケ原の台地が見わたせるのです。
で、例のパッチワークは?というと、
たぶん御牧ケ原のあたりではないかと思われます。
それにサンラインも、田んぼのなかをつき抜けているので、
雑木林の木々やあぜの草木で、春を感じることができます。
若葉というか新緑のころの緑が、雨にぬれた黒い幹に映えて
「いいじゃん!」って思いはしましたが、だからといって
その感動のままに描けるか、となると、そうでもないようです。
「そんなことはないぞ!私なら描けるぞ!」という方もおいででしょうが、
これは「私は描けない」という話なので、怒らないでください。
ま、そういう事です。
ほんの一週間前には、桜ドライブだったのに、今はパッチワークドライブ。
もうしばらくこれを楽しんで、さて次は。。。
あっ、軽井沢のカラマツは、いつ頃がきれいなんでしょう。
スケッチとか良さそうじゃあないです?!