線や面としてあらわしたい部分は彫らずに残し、
その残した凸部に絵具やインクを塗って、
紙をのせ、バレンでこすったり、プレスで写しとる方法。
版材には、木やリノリウムがある。
また、芋版や紙版画も、凸版の仲間といえる。
技法は、活版印刷や印鑑に応用されている。 |
<木版画>
一本の木を縦の方向に切り出したものを「板目木版」といい、
桜・桂・朴の木や合板などが使われる。
一般に「木版」とだけ称する場合は、板目木版をさすことが多く、
その代表例は浮世絵である。
木を輪切りの状態に切り出したものを「木口木版」という。
もとは西洋で発達した技法で、柘植・椿・桜など目のつんだ
硬い木質のものが用いられるため、細かい細工が可能である。
ビュランという鋭い彫刻刀を使って彫る。
日本へは、明治20年ごろ合田清によってこの技法が伝えられ、
少年時代の山本鼎は、木口木版の工房で働いていたし、
パリ遊学中も木版工房の仕事で生活費を稼いでいた。
※上田市の山本鼎記念館の二階に小型のエッチングプレス機が
展示されているのですが、それは長らく石井家に保管されて
いたものです。解説では、方寸時代にエッチング等の試作に
使用されたとあります。そのプレス機で「木口木版」を刷って
いたということは、考えられないのでしょうか?
と、時々思います。
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